「貯蓄は生活費の3ヶ月分」って根拠あるの?

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こんにちは!FPオフィスてれすこ新宅です。毎度当ブログの記事を読んでいただきありがとうございます。

さて、前の記事(「貯蓄」と「資産運用」の違いって何?)で「貯蓄は生活費の3ヶ月分で十分」と書きました。私はさらに3ヶ月分上乗せして6か月分をおススメしていますが、他の専門家もほぼ生活費の3ヶ月分もしくは6か月分の貯蓄を推奨しています。

この「3ヶ月分もしくは6か月分」には何か根拠があるのでしょうか?今回はこれについて考えてみたいと思います。

実は「生活費の3ヶ月」には根拠がない?


「貯蓄(貯金) 生活費の3ヶ月分」とかでググってみると、たくさんの記事がヒットします。それぞれ書く人の考え方や貯蓄の捉え方は微妙に違いますが、私も含め皆さん大体言っていることは同じです。

でも、いざ「何で3ヶ月分なの?」の核心部分になると「3ヶ月分あれば安心だと言われています」とか「3ヶ月分あれば十分だと思います」的な曖昧な表現が目につきます。事実私も「3ヶ月分あれば十分とされています」って思いっきり書いていますし・・

でも、誰もいい加減なことを書いているわけではありません。

実は、「貯蓄は生活費の3ヶ月分」は平均的な目安にすぎません。お金の考え方や使い方は人により様々なので、絶対これです!的な万人共通のセオリーは存在しないのです。
ただ専門家の方は「貯蓄のやり過ぎは非効率なのでこの程度に留めておいた方が良いですよ」という意味で、生活費の3ヶ月分(もしくは6か月分)という目安を提示しているのです。

身も蓋もない話になりましたが、とは言えこの目安に対する考え方みたいなものは存在します(多少のこじつけ感はありますが)。貯蓄の持つ側面からいくつか考えてみます。

「生活防衛費」としての貯蓄


私が考える貯蓄の最大の目的は、いざという時の生活防衛のために備えておくものです。一番深刻な例ですと、家庭の大黒柱に万が一の事態が発生した場合に早急に生活を再建する(立て直す)ための備えと考えることが出来ます。

皆さんは「万が一」に備えてほとんどの方が保険に加入されていると思います。自分の意思で加入する民間の保険以外にも以下のような公的保障が用意されています。

  • 遺族給付(加入者が死亡した場合にその家族へ)
  • 障害給付(加入者が一定の障害になった場合に本人へ)
  • 傷病手当(加入者が病気やケガで所定の日数以上働けなくなった場合)
  • 求職者給付(加入者が離職して求職中の場合、いわゆる「失業保険」)
  • 労災保険の各給付(労働者が業務中等に事故等にあった場合)
  • 高額医療費(一定額以上の医療費を支払った場合その差額を補てん)
  • (最悪の場合)生活保護
  • ※一部自営業者の方には支給されない給付があります。

給付額は現状収入の水準以下にはなりますが、かなりの水準までは保障されているので貯蓄が無いからといって直ちに生活が行き詰まることはないと考えて大丈夫です。

ただ、これらの給付を受けるためには自ら申請し承認を受けなければなりません。これには結構な手間と時間を必要とします。

私の亡くなった父親の例を出して恐縮ですが、これだけの手続きが必要でした。

  • 市役所・・・死亡に関する諸手続き
  • 年金事務所・年金手続き
  • 元勤務先・・企業年金手続き
  • 生命保険・・保険金請求手続き
  • がん保険・・保険金請求手続き
  • 金融機関・・故人の銀行・証券口座の凍結・相続手続き
  • 司法書士・・故人所有不動産の相続手続き

葬儀・法要等支払いが先行しつつ、バタバタしながらの手続きになります。申請が全て終わるのに亡くなってから1か月半、手続きが完了してお金を手にするまで平均で2か月程度、最もかかるもので4ヶ月近くを要しました。
私の場合既に家族全員社会人だったので金銭的に困ることはありませんでしたが、もし故人の収入で生活していた場合最悪2~3ヶ月程度無収入を想定しなければなりません。

この想定される「一時的な」資金不足に対応するため、生活費3ヶ月分の貯蓄があれば安心だとお分かり頂けると思います。

ただ先ほど書いた通り、公的保障の給付水準は今までの給与水準より確実に下がります。その差額を補てんするためにもう3ヶ月分、つまり生活費6か月分の貯蓄があれば安心感が一層増すため私は「貯蓄は生活費6か月分」をおススメしています。

イレギュラーな支出に備えるための貯蓄


先ほどお示しした「生活防衛」とまでは言えないレベルでも、普段の生活でイレギュラーな支出は結構あります。例えば・・

  • 家庭インフラ(湯沸かし器や洗濯機とか)の急な故障・買い替え
  • 冠婚葬祭(重なるときは重なるものです)
  • 病気やケガなどで一時的に親族の世話が必要になる

場合によっては毎月の収入では賄いきれない支出もあります。それに備えるためにもいくらか貯蓄があると安心です。

さすがにこのためだけに貯蓄をするのは現実的ではありませんが、先ほどの生活防衛費と合わせて生活費3ヶ月分の貯蓄があればひとまず安心だと考えることが出来ます。

使用目的を持った貯蓄


皆さんが貯蓄(貯金)をイメージする場合、これが一番しっくりくるのではないでしょうか?

  • 年払い費用(保険料とか)の積立
  • 夏休みの家族旅行
  • 大型家電の計画的な買換え
  • マイカーの取得・買い替え
  • 子供の進学費用

こういった大きなお金を使うために、ざっくりした計画を立ててからお金を貯め始めることが多いと思いますが、それを見越してあらかじめお金がプールできていればムチャクチャ楽に計画を立てて実行できます。

さすがにマイカー取得や進学費用等金額が膨らむものは長期的な貯蓄計画が必要になりますが、それ以外は大体生活費3ヶ月分の貯蓄があれば十分対応可能だと思います(足りなくても頭金としては十分なはずです)。

先ほどの「生活防衛費」は生活費3ヶ月分あればひとまず安心です。それに使うことを見越してさらに3ヶ月分上乗せしておけば、いざという時も何かにお金を使おうとするときも確実に安心感が増す。私が「貯蓄は生活費の6か月分」をご提案する最大の理由です。

(まとめ)結局貯蓄って「人生の安心料」みたいなもんです!


貯蓄は何かに使うためのお金をプールしておくこと、と前の記事で書きました。そのためすぐに現金化できること(流動性)と価値が下がらないこと(安全性)が最優先されるため貯蓄自体は収益をほとんど生みません。

したがって貯蓄のし過ぎは「収益をほとんど生まないお金」を増やすだけで資産効率が悪いので、「貯蓄は多くても生活費6か月分に留めておいた方が良いですよ」という意味で具体的なボリュームを目安として提示しているのです。

こじつけっぽいことを長々と書きましたが、根拠は上記200字程度にまとめられちゃいました。なんか、ごめんなさい・・・

いかがでしょうか?何か「貯蓄の目的は何か?」っぽい記事になってしまったかもと、ちょっぴり反省しています。そのくせ目的が「生活防衛」だの「イレギュラーへの備え」とか、ぼんやりしたものばかりでイマイチしっくりこない方もいらっしゃるかもしれません。

でも、貯蓄はそんなぼんやりしたもののために備えて「安心」を得るものだと考えています。

「安心」という言葉はこの記事に頻繁に登場しましたが、ここでいう「安心」は貯蓄という資金的な「余裕」によってもたらされます。

このブログのテーマ「お金を楽しく使う」は、資金的な余裕とそこから生まれる安心を一つの大きな土台と捉えています。その考え方から、貯蓄をすることはお金を楽しく使うことにつながると考えています。

「生活費3ヶ月分(6ヶ月分)」をゼロから貯めるには結構パワーを必要としますし多少の我慢も必要かもしれませんが、決して山のように高いハードルではありません。プランを立てて実行すれば比較的短期間で貯めることは十分可能なレベルです。

貯蓄をこれから始める方や今貯蓄を頑張っている方、まずは生活費の3ヶ月を目安にしてみてください。達成出来たら6ヶ月分まで増やせば確実です。きっと今までとお金の「見え方」が変わってくると思います。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございます!次回は効率的に貯蓄できる方法について考えてみようと思います。ご期待ください!

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