
こんにちは!FPオフィスてれすこ新宅です。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
さて、以前記事で鉄板の貯蓄方法について書きましたが(【鉄板!】最も確実で効率的な貯蓄方法はこれ!)、その中で「一般財形貯蓄制度」と「自動積立定期預金」の2つをおススメしました。
今回はこのうち自動積立定期預金について詳しく見ていこうと思います。
なお、記事中にある情報は令和元年12月7日現在のものです。随時更新するように努めますが、最新の情報は必ず金融機関のサイトでご確認ください。
また、記事中またもや表を多用しています。スマホの方は横向きでご覧いただいた方が読みやすいかもしれません。お手数おかけしスミマセン。
目次
【貯蓄の王道】自動積立定期預金とは?
改めてになりますが、自動積立定期預金は口座引き落としみたいな感じで毎月決まった金額を普通預金口座から別口座に振り替えて積立する定期預金です。毎月積立するごとに小さな定期預金が次々と積み重なるように増えていくイメージです。
取扱金融機関によって商品内容に違いはありますが、ほとんどの金融機関で取り扱っている非常に身近な金融商品です。
自動積立定期預金には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 積立期間(定期預金口座の満期日)を決めるもの(決まっているもの)
- 積立期間を定めていないもの
以前は1.のタイプが主流でしたが、現在は2.が主流になっています。1.は目標を定めて短期間で一定額を貯めたい方に向いていますし、2.は継続してコツコツ貯めていきたい方に向いていると言えます。
毎月一定額を積み立てる他、設定しておけばボーナス時に増額することも可能ですし任意の時期にスポットで預け入れることが可能なものもあります。ご自身に合ったタイプを選んでください。
なお、記事に出てくる専門用語をあらかじめ分かりやすく解説します。ご確認の上読み進んでいただけると幸いです。
- 積立期間:積立を続ける期間。「定め無し」の場合止めるまで続けられる
- 預入期間:積み立てるごとに設定する定期預金の預け入れ期間
- 明細(口):積み立てるごとに設定される定期預金の単位。ゆうちょ銀行の場合は「口」
- 満期日 :通常積み立てるごとに設定した定期預金の満期を指すが、積立期間を決めるタイプの場合は積立終了時を指す場合がある(口座満期日)
- 払い戻し:積み立てた定期預金を現金化すること。通常明細ごとに定期預金を中途解約して普通預金に入金する
自動積立定期預金の選び方・始め方
自動積立定期預金は、積立にあたり振替元になる普通預金口座が必ずセットになります。新規の金融機関に口座を開く場合、積立口座と普通口座を2つ開設しなければなりません。
またこの普通預金口座から毎月積立金額が引き落とされるので、常時一定の残高が必要です。したがって通常この普通預金口座は給与振込口座になります。給与振込口座は公共料金やクレジットカードの引き落ち口座になっていることがほとんどです。
お分かりの通り積立を全く新規の金融機関で始めようとすると結構面倒です。積立は給与振込口座のあるメインバンクで始めるのが一番手っ取り早い方法です。
とはいえ、今後の銀行との付き合い方を考える良い機会だと思います。以下の点を参考にしていただき将来を見据えて自分に合った金融機関を探すのも良いと思います。
- 魅力的なローン商品(住宅ローン等)はあるか?
- 資産運用向け商品は豊富にそろっているか?証券会社との連携はあるか(手数料無料や金利優遇など)?
- ポイント付与など金利以外の付加サービスがあるか?そのサービスが自分のライフスタイルに合っているか?
どこにするか決めたら口座開設の手続きをします。基本郵送やネット(正式手続きは郵送)で簡単に手続できますが、書類の不備には厳格なので記入漏れや書き間違いには注意が必要です。
口座が開設されたら、積立の初期設定をします(口座開設後ネットで行う場合と口座開設時に書面で設定する場合があります)。
積立期間(定めがあるもの)と毎月の積立金額、ボーナス等の増額は計画に沿って設定しましょう。
振替日は給料日の翌日に設定すると安心です。
預入期間は1年以内に設定することをおススメします。貯蓄の性格上長期預け入れは資金を固定してしまうことから避けた方が良いと思います。残念ながら現状1年ものと5年もので金利はほとんど変わりませんし、逆に3ヶ月ものや6ヶ月ものに高い金利を提示する銀行もあります。
初期設定が終われば、後は自動的に積立がスタートします。くれぐれも振替日に残高不足にならないよう注意してくださいね。
おススメの自動積立定期預金5選
ほとんどの金融機関で取り扱う自動積立定期預金ですが、その中から金利やサービスの良さ、身近で手っ取り早く始められる、という基準で5つの銀行と取扱商品をおススメします。
ATM手数料と金利が魅力のソニー銀行「積み立て定期預金」
ソニーグループのネット専業銀行です。マネックス証券と連携している他、グループのソニー損保やソニー生命の保険も取り扱っています(いずれも銀行は仲介するだけです)。
現金はセブンイレブンやローソンのATM、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・ゆうちょ銀行やイオン銀行のATMなら、いつでも無料で引き出し・預け入れができます。
通常の定期預金金利は普通のネット銀行並みですが、ここ最近夏と冬のボーナス時に1年ものを中心に金利を高めに提示するキャンペーンを行うのが通例となっています。2020年2月29日(土)まで行われているキャンペーン期間中の金利は1年ものが年0.15%と業界トップクラスです。今後も定期的にキャンペーンをしてくれればですが、ボーナス時期に多く積み立てできる方は高い金利を継続して享受できる可能性が高いです。
そんなソニー銀行「積み立て定期預金」の商品概要は以下の通りです。
積立期間 | 定め無し(いつまででもOK) |
預入期間 | 1年・2年・3年から選択 |
金利 | 1年もの:0.15% 2・3年もの:0.02% |
預入金額 | 1回の積立につき1,000円以上1,000円単位 |
満期時の取扱 | 指定した預入期間で元本・利息の合計額を自動継続(元利自動継続) |
振替日(積立日)の指定 | 2と7の付く日から選択 |
増額月設定 | 年2回まで、随時積立も可能 |
払い戻し | 直近に積み立てた(預け入れた)ものから順に解約して普通預金に入金 |
振替日は指定された日から選択しますが、さほど不便には感じないと思います。以下のような方におススメです。
◇こんな方にピッタリ◇
- 夏・冬のボーナス時に増額可能な方
- 土日祝日にATMで現金を下すことが多い方
イオンSCやWAON利用者にはメリットが大きいイオン銀行
イオン銀行は、ショッピングモール「イオン」、スーパー「マックスバリュ」やコンビニの「ミニストップ」、電子マネーの「WAON」や共通ポイント「WAONポイント」を運営するイオングループの銀行です。
ネット専業銀行ではなくイオンモール内に店舗がある他、全国のイオンやミニストップにATMを設置しています。イオン銀行のATMなら、いつでも無料で現金の引き出し・口座への預け入れができます。
各種保険の仲介や住宅ローンを取り扱っていますが、証券会社との連携はありません。店舗を持っているので対面で相談できるのがメリットです。
もともと金利の良い銀行として有名ですが、口座開設時にクレジット機能一体型のキャッシュカード「イオンカードセレクト」(年会費無料)を一緒に申し込めば金利優遇等さらにお得なサービスを受けることが出来ます。イオンやWAONを日常的に利用する方にはメリットの大きい銀行です。
そんなイオン銀行「積立定期預金」の商品概要は以下の通りです。
積立期間 | 6ヶ月~40年であらかじめ設定して口座の満期日を指定 |
預入期間 | 積立期間に応じて1ヶ月~1年定期を自動的に設定 |
金利 | 全期間0.08% |
預入金額 | 1回の積立につき500円以上1円単位 |
満期時の取扱 | 預入期間満期時(明細満期時)は元利自動継続 口座満期時(積立期間満了時)は元利合計額を自動解約の上普通預金に入金 |
振替日(積立日)の指定 | 自由に設定可能 |
増額月設定 | 年6回まで |
払い戻し | 積み立てた明細を指定の上解約し普通預金に入金 |
1回500円から1円単位で設定可能なのでお手軽感と細かな設定はピカイチですが、積立期間を設定しなければならないことが他の銀行の積立と違うところです。積立期間終了(口座の満期日)の際は積み立てた定期預金が自動解約されるので注意が必要です。以下のような方におススメです。
◇こんな方にピッタリ◇
- イオンやWAONを日常的に利用する方。これらをヘビーに利用して金利優遇等を受けたい方
- 期間を決めて積立をしたい方
- 目標としている積立期間が比較的短い方
- 貯まったお金を少しでも有利な定期預金に預けたい方
キャンペーンポイントと多彩なサービスが魅力の楽天銀行
楽天銀行は楽天グループのネット専業銀行です。グループの楽天証券と口座を連携させることで高金利の普通預金を提供する「マネーブリッジ」や自分名義の他行口座から振り込むと金利が優遇される「資金お引越し定期」など特徴のある幅広い商品を揃えています。
楽天カードを発行したり楽天市場を利用するほか、取引残高に応じて「楽天スーパーポイント」が貯まるのも大きなメリットです。
そんな楽天銀行「定期預金の定期購入」の商品概要は以下の通りです。
積立期間 | 定めなし |
預入期間 | 1ヶ月~10年までの9パターンから選択 |
金利 (キャンペーン適用中) | 1年ものだけ0.11%、 その他の期間のものは0.02%~0.03% |
預入金額 | 1回の積立につき1,000円以上1円単位 |
満期時の取扱 | あらかじめ次の3つから選択 ・元利自動継続 ・元金自動継続(利息は普通預金に入金) ・自動解約(元利合計額を普通預金に入金) |
振替日(積立日)の指定 | 自由に設定可能 |
増額月設定 | 自由に設定可能 |
払い戻し | 積み立てた明細を指定の上解約し普通預金に入金 |
名前が示す通り、非常にシンプルに定期預金を毎月設定していく積立です。以下のような方におススメです。
◇こんな方にピッタリ◇
- 楽天経済圏の民の方
- 今後の資産運用を見据えて証券会社と連携したサービスを求めたい方
- 多彩なサービスを提供できる銀行を求める方
やっぱり一番身近なゆうちょ銀行の「定期積立定額貯金」
やっぱり一番身近な金融機関で、「お金を貯める」と言ったらゆうちょ銀行を真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか(私たち世代以上だけかも)?
ゆうちょ銀行には「定額貯金」という優れた金融商品があり、多くの方が利用されていると思います。私も子供のころから現在に至るまでガッツリ利用させていただいています。
おススメする「自動積立定額貯金」はこの定額貯金を毎月積み立てる、貯蓄にもってこいの商品です。商品概要は以下の通りです。
積立期間 | 6年以内で最高108回まで積立可能 |
預入期間 | 6ヶ月(以降自由に払い戻し可能) |
金利 | 全期間0.01% |
預入金額 | 1回の積立につき1,000円以上1,000円単位 |
満期時の取扱 | 積立期間満了後も定額貯金として預け入れる なお、定額貯金は預け入れから10年経過後通常貯金の金利が適用される |
振替日(積立日)の指定 | 自由に設定可能 |
増額月設定 | 年6回まで |
払い戻し | 積み立てた口数を指定の上解約し、 通常貯金に入金or現金で受け取り |
「定額貯金」は定期預金とはちょっと違って、預け入れて6か月経過したらペナルティなしで解約可能です。定期預金は預入期間内で払い戻そうとすると中途解約となりペナルティとして低い金利が適用されるので、定額貯金は定期預金より流動性が高く使い勝手の良い商品です。
定額貯金は6か月経過後最長10年まで元本・利息とも自動継続されます。最初の3年間は6か月ごと金利が上昇し、それ以降は同じ金利が適用されます(残念ながら現在金利は全部同じです)。
「自動積立定額貯金」の金利は先ほどご紹介したネット銀行系と比べると見劣りしますし、窓口での手続きとなるため面倒なところもあります。
でも、とても身近で安心感のある定番の積立商品です。以下のような方におススメです。
◇こんな方にピッタリ◇
- 給料振込口座にゆうちょ銀行を利用されている方
- 窓口で安心して手続したい方
なお、ゆうちょ銀行には他に「自動積立定期貯金」と「満期一括受取型定期貯金」という2つの積立商品がありますが、利便性に劣る上金利も同じなので「自動積立定額貯金」をおススメします。
給与振込口座に指定している金融機関の自動積立型定期預金
現在利用していない金融機関で新規に自動積立定期預金を始めるには、普通預金口座とセットで開設しなければなりません。また普通預金口座に毎月一定額残高がないと積み立てできないので、通常給与振込口座に指定しないといけません。給与振込口座は公共料金やクレジットカードの引落口座の場合がほとんどなので、変更するのは非常に厄介です。
ネット系銀行の方が通常より金利が10倍良い、といわれても1万円あたり利息の差は1年で10円あるかないかです。口座開設や給与振込口座変更の手間を考えると、現在給与振込口座に指定している金融機関で手っ取り早く積立を始めるのもアリだと思います。
自動積立定期預金は定番中の定番商品なので、取扱っていない金融機関はまずありません。商品内容に違いはあっても基本的な部分は同じです。以下のような方にはおススメです。
◇こんな方にピッタリ◇
- 口座開設や給与振込口座変更が面倒な方、難しい方
- 取引金融機関をあまり増やしたくない方
- 手っ取り早く積立を始めたい方
- 目標としている積立期間が比較的短い方
まとめ
貯蓄の王道「積立」の中でも「自動積立定期預金」は最もポピュラーな金融商品で、取り扱いのない銀行はほとんどありません。
商品内容に違いはあっても基本的な部分は同じであること、残念ながら現在の金利では銀行によって極端な有利不利の差がないことから、自分にとって使いやすい銀行を選ぶのが良いと思います。
大事なのは積立=貯蓄は「お金を貯めること」であって「お金を運用する(殖やす)こと」ではないことです。少しでも金利に高いところを選びたくなるのは人情ですが、金利よりも
- 積立を始めやすく継続できそうなところ
- 今後利息以外のメリット(ポイントとか)が得られそうなところ
で選ぶべきだと考えます。もちろんこの基準で選んだところが金利の良い銀行であれば万々歳ですが、今後のことを考えて取引銀行を再検討するのも良いと思います。
以上、今回も長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました! 少しでも参考にしていただけたらうれしいです。