資産運用で「リスクを分散する」って言うけど、どうやればいいの?

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前回の記事で資産運用におけるリスクについて考えてみました。リスクとリターン(収益)は表裏一体で、高いリターンを期待したいなら相応のリスクは覚悟しなければならないことがお分かりいただけたかと思います。

リスクそのものを減らすことはできないので、「避ける」「分散する」ことでコントロールする必要があることをご説明しました。よく耳にする「リスクを分散する」とはこのことです。

とは言え「リスクを分散する」って一体どうやれば良いのでしょうか?今回はこれについて考えてみようと思います。

まず、資産運用資金と貯蓄資金をキッチリ分けます(資金の分散)

以前の記事(「貯蓄」と「資産運用」の違いって何?)で、資産運用とは「すぐに使う当てのない余剰資金を殖やす(増やす)こと」と書きました。流動性(すぐ現金に換えられること)と安全性(価値が減らないこと)は多少目をつぶって、積極的に収益を追求する(=相応のリスクは覚悟する)資金だとご説明しました。

一方、日常生活の足しにするお金や近々使う予定のあるお金をプールすることを「貯蓄」と書きました。使う見込みがあるお金なので、流動性と安全性は絶対確保すべきとご説明しました。当然収益を追求する資金ではないので、リターンと表裏一体のリスクに晒すなどもってのほかです。

家計において、性格が異なる二つの資金をキッチリ分けておくことが最低限のリスク分散だと考えています。二つを混在したまま無計画に運用したら家計の資金全部をリスクに晒すことになり、最悪リスクが現実になった場合資金が大きく減ってしまい家計がままならなくなる危険があります。

前の記事でご提案した通り最低でも月の家計支出3ヶ月分の資金をプールしておき、それ以上の資金を運用するスタイルをおススメしています。これなら何があっても当座のお金に困ることはないので、安心してリスクと向き合うことができます。

資産運用のリスクを分散する方法

『リターンを期待するなら相応のリスクは覚悟する』と言っても、可能な限り損失の危険は避けたいものです。繰り返しになりますがリスク自体を減らすことはできないので、想定されるリスクをザックリ把握してリスクを「避ける」か「分散」することで、投入する資金全体を守っていくことが必要になります。

かっこよく言えば「攻めるための防御態勢を整える」って感じになりますが、具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか?その方法を三つほどご紹介します。

複数の金融商品で運用する(商品の分散)

資産運用のリスクを分散させる基本は、複数の金融商品で運用する(商品を分散する)ことです。

例えば、手持ちの余剰資金100万円を○○株式会社の株式にすべて投入した場合、株価が上がれば大きなリターンが期待できますが万が一倒産してしまえばゼロになってしまいます。これを10社の株式に10万円ずつ投入すれば、そのうちの1社が倒産しても損失は全体資金の10分の1で済みます。このように資金を投入する対象を分散させることでリスクを分散させることが可能になります。

この例は株式のみで運用するパターンですが、株式以外の債券や外貨・金など異なる商品を組み合わせて運用する方がリスク分散の効果が高くなります。商品によってリスクの大きさ(価格の振れ幅の大きさ)が異なること、価格の動き方の傾向が商品によって異なるからです。

リスク・リターンのイメージ図(みずほ証券HPより)

この図を見ていただくと分かりやすいと思いますが、例えばリスクの高い(高いリターンが期待できる)株式とリスクが比較的小さい債券を組合せば全体のリスクは相対的に低くなります。

また、商品ごとに価格が動く要因が微妙に異なるため基本値動きの仕方が異なります。必ず当てはまるものではなく経済状況等により大きく傾向は変わりますが、一般的に次のような傾向が見られます。

  • 株式が上昇すると債券は下落しやすい(またはその逆)
  • 景気が良くなると株式が上昇し、悪くなると債券が上昇しやすい
  • 金融不安や政情不安が起こると金が上昇しやすい・・・などなど

異なる値動きをする商品を組み合わせれば期待できるリターンは小さくなるかもしれませんが、高いリスク分散効果がかなりの確率で得られます。

資産運用は必ず何かしらのリスクがあるので一点集中型は非常にリスキーです。複数の金融商品で運用することはリスク分散のイロハのイです。

購入時期を分散

金融商品は常に価格が変動するので、売買するタイミングの見極めは非常に難しい問題です。「高値で買ってしまうのでは?」と不安になり購入をためらう方も多いのではないでしょうか?

このような不安を軽減して価格変動のリスクを抑えるには、目当ての商品を複数回に分けて購入することが有効です。

最も身近な方法が「積み立て」です。積立商品は、積立額に応じて毎月金融商品を買い付けます。価格が上がると買付数は少なくなり価格が下がると買付数は多くなります。つまり、積立を続けると買付価格は平準化されて結果リスクを抑えることが期待できます(これを「ドル・コスト法」といいます)。

積み立てなら値動きとにらめっこしながらタイミングをうかがう必要がなく少額から始められるので、特に資産運用初心者の方におススメです。

長期運用(運用期間の分散)

金融商品は常に値動きをしていていますが、株式を除き「下がりっぱなし」ということはなく高い確率で「上がる」チャンスが訪れます(ただ、買値を上回る保証はありません・・)。このチャンスは運用期間が長ければ長いほど、訪れる確率が高まります。

ということは、運用期間が長いほど価格変動のリスクを抑えることが期待できます。

なお先ほど「株式を除く」と書きましたが、長期にわたり成長が見込める会社であれば一時的な下落はあっても上昇する可能性は高いと考えることができます。ただ、今後成長が見込めない会社やそもそも経営状態が悪いままの会社は株価が「下がりっぱなし」ということも十分想定できます。こういう場合長期運用でリスクを抑えることは期待できませんので注意が必要です(いわゆる「塩漬け株」というやつです)。

資産運用初心者の方は「積み立て」を長く続けること!!

これから資産運用を始める方や始めて間もない方は、運用にあたってここまで書いたリスク分散の方法を検討する前に「資産運用への不安」と向き合わなければなりません。多少なりとも安心感を持って資産運用を始めないと、不安を抱えたままリスクと向き合うことになります。これじゃ楽しくお金と付き合うことはできません。

そんな方がはじめの一歩を踏み出すには、ハードルの低い運用方法から始めることです。ハードルの低い運用方法とは、

  • 少額から始められる=長く続けられそう
  • 売買のタイミングをあまり考えなくても良い
  • それでいて一定のリスク分散効果がある

これにピッタリの運用方法が「積み立て」です!
積み立ては今お持ちの貯蓄に一切手を付けることなく始められるので確実に資金を分散させることができます。また毎月一定額を商品購入に充てるので購入時期を分散してリスクを抑える効果も期待できます。さらに少額から始められるということは長期間続けやすい方法と言えます。長期間続けることでリスク分散の効果が期待できます。

100万円を一度に運用してリスクに晒すより、毎月1万円ずつ徐々にリスクに晒す方が安心感は全然違ってきます。「損をしてしまわないか」と不安に思われる方、まずは積立運用でスタートしてみることをおススメします。

なお、具体的な積立商品は別の記事でご紹介したいと思います。

まとめ

不確実なことで価格が上下することを広い意味で「リスク」と言います。リスクはプロであろうがビギナーであろうが平等に降りかかりますが、だれも予測のつかないようなことが起こる前提なので「絶対!」とか「これがベスト!」的な考え方は成り立ちません。

したがってこの記事でご紹介した方法も絶対ではありません。ただ、何も対策しないより効果があることは確かです。

私も含め皆さんは資産運用のプロではないので、大事なお金を運用するにあたって「不安をなくす=安心」を一番に求めると思います。リスクが付きまとう資産運用をする際は、まず「自分が安心できる方法か」を基準に考えてみると良いと思います。この記事がその方法を見つけるヒントになってくれるとうれしいです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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